ある日、ふと思い出した昔の暖かい思い出。 そんな事を小説にしてみたい! そんな男の場所です。


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lateral biography of the Gundam
第1話 「友からの贈り物」

「ったく!!何でわざわざフォンブラウンまで来なきゃいけないんだぁ?」

青いパイロットスーツに身を包んだ大柄な男はフォンブラウンのアナハイム工場内を小言を言いながら進んでいた。

「ままま、待ってください!待ってくださいブルーさん!」

小太りの男が「ブルー」と言われる男を追いかけていた。

「ああ!?そっちで呼ぶんじゃねぇよ。…ったく。サトウさんよぉ、何の用だ?俺は忙しいんだよ!?」

サトウと呼ばれる小太りの男は、息を整えながら彼の問いに答えた。

「はぁはぁっ…ふぅ。ですから貴方に見て頂きたい物があるんですよぉ~」

「わざわざAE本社にまで呼んでかぁ?そんなに重要な事なら何でもっと前に連絡しないんだ!?」

サトウが必死で追いついてきたのを振り払うように、彼はもっと足早に進んでいった。

「じじっ事情が変わったんですよぉ~まさか貴方が来てるとは思わなかったもので…」

やっとブルーのもとまでおいついたサトウは、また息を整えていた。

「…で?会議出席までの間の休み時間を潰してまで!俺が直接見なきゃけないような物なのかよ?それは!!」

サトウとブルーが一番奥にあるハンガーにたどり着いた時、サトウはニヤリと笑いながら彼に答えた。

S「ふふ、きっと…お気に召しますよ」

B「意味深だな。…まぁいい。見せてみろ」

サトウがドアキーの入力を終えると、ブルーの目には信じられない物が立っていた。

B「な!!Z…ガンダムだと!?」

S「これを…見せたかったんですよ。どうです?会議前の休憩の暇潰し以上になりましたかな?」

サトウのしてやったりという顔には腹が立ったが、それ以上に、目の前にあるグレーのZガンダムが彼の目を離さなかった。

B「何故Zクラスがここに?アーガマに搭載されてた奴は大破したんじゃあないのか?」

S「Zクラスはエゥーゴにおいても、アナハイムにおいてもフラッグシップマシンですが…、我がアナハイムとしては、いつまでもスポンサー様がネモで戦っているのは心忍ない。それに…」

ブルーがZを凝視している間に、サトウは彼の眼前にデータを表示させた。

S「3週間前のチャクラ研の話は貴方ならご存知でしょう…」

B「!!そうか!確かあそこには3機のZクラスが配備されていたな」

S「ええ、貴方が出した予算の40%を使用して配備させました」

B「確か結果は…1機撃墜、1機大破、ホワイトのはそのままだったな」

S「ハイ。そしてこの1機はグレイ・ウルフ氏の要望で製作しているものです」

B「グレイの…そういえば奴から催促のメールがかなりきてたな。今奴はどうしてるんだ?」

S「ご存知ないのですか?」

サトウの顔がさきほどまでのニヤリ顔から暗い表情に変わった。

S「彼は…撃墜されたんです。正確にいえば、彼は敵機に体当たりをして…」

B「っな!?なんだと!!??」

ハンガーにブルーの声が響いて、作業中のメカニックの手が止まった。

B「馬鹿なことを言うな!あいつが…あいつが!!そんな…」

S「残念です…貴方とはジャブロー以来からの戦友だったと聞いていました」

ブルーがエゥーゴのスポンサーでありながら戦場に出たのは、自分の信念を貫くためだった。彼は自らMSに搭乗し、グリプス戦役を戦い抜いてきた。その影には、グレイとの出会いと共に戦ってきたことが、今自分がその場に生きていられるという答えだった。

B「グレイ…」

S「彼に渡したバスターZは、彼のパーソナルカラーのグレーではなく。黄色のZでした。こちらで開発した対Bコーティング素材の色が黄色だったためでしたが…」

B「奴らしいな…どうせ「もう1機作り直せ」とか言ったんだろう?」

S「ハイ」

B「レッドのよくわからんシステムを搭載したZのせいもあるだろう?」

S「サイコ・ニュートライザー・システムですね。確かにあれには膨大な予算がかかりました」

B「結果、敵MAは破壊できたが…レッドも大破。システムのデータはパァ。パイロットはMIAか…馬鹿らしい。だったら!!」

S「おっしゃることはわかっています。本日の議題の中で、それが問われることも…」

B「1機のハイスペックマシンよりも、量産機の性能向上こそが勝敗の鍵を握るんだ!…Zクラスなんぞに金を費やす方が馬鹿げてるんだよ…」

眼前に表示されていたZのデータをかき消すと、彼は手すりを強く殴った。

S「…今日貴方にここに来て頂いたのは、これが貴方のMSになるからだという報告をしたかったからです」

B「っく!!」

ブルーはサトウの襟元を掴み、こみ上げてくる怒りをぶつけた。

B「お前は!…俺に…グレイの代わりをしろっていうのか!!?」

S「残酷なようですが!今はまだ敵がいるのです!貴方自身が戦場に立つのであれば!私達にできることは…これくらいしかないんです…よ」

サトウはブルーの怒りの目をずっと見たまま話続けた。

S「今、貴方の乗っているネモでは、貴方の操縦についていけないのです!リックディアスも同等ですよ。私達は何もスポンサーの心配をしているんじゃない!貴方という人物の生存を望んでいるからこそ!この機体を託そうと決めたんです」

ブルーはその言葉を聞くと、サトウの襟元から手を離した。
襟を直すサトウに彼は答えた。

B「…すまん。君等の気持ちも知らないで…だが…俺はZクラスには乗れないよ」

S「何故です!?確かにピーキーで操縦にはクセがありますが、この機体であれば、貴方の力が引き出せる!」

B「…Zクラスは基本的にはガンナータイプのパイロットが乗るべきだ。俺はストライカータイプ。乗りこなせるわけがない…。グレイは生粋のガンナーだったからなぁ。相性もよかっただろうが」

S「OSの変更と機体のセッティングを変更しています。確かに本来Zは射撃による攻撃が主流ではあります。Zの後継機で、現在開発中のZプラスC1クラスも同じですが…このZは違うのです」

もう一度サトウはブルーの横にデータを表示すると、説明を続けた。

S「このZは、Zの機動力と突出した接近戦能力を高めた機体になっています。貴方の戦闘スタイルであるストライカーとして生まれ変わっているんですよ」

B「…」

ブルーが表示されているデータを見始めると、サトウもまた説明を続けた。

S「今までの貴方の戦闘、ジャブロー降下作戦、キリマンジャロ制圧作戦、ニューデリー開放作戦、フィリピン開放作戦、そして宇宙でのさまざまな戦闘記録を貴方のネモからフィードバックし、最適な運動性を引き出せるようにしました。また、本来のZに搭載されていた「バイオ・センサー」により、パイロットの精神状態、身体状態に合わせて稼動できるようにしています。」

B「そうか…だが、武器は…」

S「武器については、本来のビームライフルは「ランス」やサーベルとしても使用が可能ですが、取り回しが利きづらいというデメリットがあったので、ショートバレルとしました。そのため冷却効率が若干下がりましたが、ネモが通常使用するビームライフルより威力は上です。また、特殊兵装として、大型のビームソードを2つ装備させています。未使用時はウィング底面部に固定しており、ウェブライダー形態での使用も可能で、対艦船や対MS用にも使用可能です。」

B「…」

S「貴方しか乗れないのです!貴方のMSなんです!!」

目の前に立つ、グレーのZをみつめたまま。ブルーは言葉を発しなかった。

S「グレイさんの…最後の贈り物なんです…」

眼前に表示されるZの表示。搭乗者のページに見えたグレイの顔と自分の顔。

このグレーの機体は、今、自分のために生まれ変わっている。

それが。

この男の胸の中で広がっていった。

この戦いを生き抜くための力。

戦友の最期の贈り物。

彼は決意した。

B「…グレイからの…贈り物か…」

彼は再び目の前のZを見ると、表示されていたデータを消し、メカニック達に声をかけた。

B「一部の塗装を変えてくれ!後はそのままでいい。頼んだぞ!」

ブルーはサトウの方を向き、両肩を強く叩いた。

B「お前達の心…確かに受け継いだ。俺は…」

サトウの肩を強く握り締め、彼は全ての覚悟を決めた。

B「グレイとお前達の気持ちに応えよう」

彼の言葉を待っていたかのように、サトウは手元にもっていたデータ入力用コンソールに手短に入力を終えると、ブルーの前に新たな表示をした。

S「今からこのグレイZは貴方の機体です。何かつけたい名前などはありますか?」

ブルーはサトウの言葉を聞くと、彼の持っていたコンソールに自ら入力をした。

そして表示された名前。

それはグレイ・ウルフと彼「ブルー・イーグル」の名前を合わせた機体名だった。

機体名変更…承認。

機体名 「グレイ・ブルー」

S「…いい名前ですね。貴方らしい」

B「…こいつで、俺は最後まで見届けてやる。最後まで!な」

彼の言葉に呼応するように、新たに「グレイ・ブルー」と名づけられたZガンダムのカメラ・アイが光った。

B「さてと…」

ブルーはそう言い放つとZとメカニック、そしてサトウに対して敬礼をし、Zに背中を向けた。

B「頭デッカチのスポンサー共と話をつけるかな!」

そう言い終えると、彼はまた足早に進んでいった。

グリプス戦役後、いくつもの小、中規模の戦闘が続く中。

新たなる敵の出現を危惧したブルーを含めた一部のエゥーゴスポンサーの最初の会議がこの日行われた。

今までの量産型機の性能向上、Zクラスの量産計画。そして。

新たなフラッグシップマシンの計画が進められた。

時にUC0088 12月17日

混迷の歴史が、今また動き出した。


















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